事例Ⅱ インターナル・マーケティングを感覚で書かない!
事例Ⅱは、小売店など身近に感じる企業が多く、「なんとなく」の感覚で回答が書けてしまいます。
理論や知識も、事例Ⅰや事例Ⅲに比べて詳しく考えることなく、分かった気持ちで書いてしまいがちです。「感覚」で言葉を使っていると、目先を変えられると対応できず、大事故(ゼロ点解答)になっていまいます。
大切な論点の一つにインターナル・マーケティングがあります。
これも「なんとなく」で書いてしまいそうな一つ。
なんとなく、インターナル・マーケティングの論点で書いてませんか?
インターナル・マーケティングの流れを理解することで、2次試験の対応力を大きくアップさせることを目指しましょう。
インターナル・マーケティングとは
インターナル・マーケティングとは、企業が接客要員(コンタクト・パーソネル)に対して行うマーケティングのことです。コトラー&ケラーのマーケティング・マネージメントから引用します。
「インターナル・マーケティングの仕事は、顧客うまく対応しよう意欲のある有能な社員を採用し、トレーニングし、動機付けをすることである」
と記載されています。
顧客に優れたサービスが提供できるように従業員を教育し、動機付けすること(モラールの向上)がカギになります。
インターナル・マーケティングの期待効果の流れを理解する
インターナル・マーケティングを考えるときに知っておきたいのが、サービス・プロフィット・チェーン。
インターナル・マーケティングは、企業が従業員に対して行うマーケティング活動であり、従業員満足度の向上によって、サービス品質向上を目指す取り組みのことです。
2次試験において大切なのは、この取り組みの一連の流れを押さえ、設問に対応することです。
この流れを説明するのが、サービス・プロフィット・チェーンです。図にまとめました。

- 社内教育やモラールの向上など社内サービスを充実させます。
- 自分が大切にされていることがわかり、従業員の満足度が上がります。
- 従業員の満足度が上がり定着率が向上。同時にノウハウが蓄積され、経験豊かな従業員により、生産性や顧客サービスも向上します。
- 顧客サービスの向上により、顧客ロイヤルティが形成されます。
- 売り上げは向上。一方、定着率の向上で新規採用コストなどの内部コストは低下。顧客ロイヤリティの高い“ファン”に対しても、マーケティング費用は削減されるためさらにコストが下がります。そのため、利益率が向上します。
サービス・プロフィット・チェーンの流れを理解することで、インターナル・マーケティングの理解が深まると思います。
また、インターナル・マーケティングは、事例Ⅱのようですが、すべての事例問題がかかわってくることがわかります。
起点はインターナル・マーケティング
インターナル・マーケティングは、サービス業のマーケティングタイプの一つです。
せっかくなので、その他の2つも見ていきます。
① エクスターナル・マーケティング
企業が顧客に対して行うマーケティング活動のこと。顧客に対して行うサービスの設定、価格設定、流通、プロモーションという普通の業務のことです。
② インタラクティブ・マーケティング
サービスを提供する接客要員(コンタクト・パーソネル)が顧客と対応することです。
③ インターナル・マーケティング
企業が接客要員(コンタクト・パーソネル)に対して行うマーケティング。

サービス・プロフィット・チェーンを前提にするとインターナル・マーケティングがサービス向上の起点となります。
なぜ、インターナル・マーケティングが試験でよく焦点になるのかが見えてきたと思います。

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