中小企業診断士の2次試験における戦略レイヤーの効果
中小企業診断士の2次試験で戦略レイヤーを意識していますか?
高得点と大失点する設問の波があったり、作問者の意図が分かりにくいときは、戦略レイヤーが間違っているかもしれません。戦略レイヤーを意識してみてください。
戦略プロセスや戦略レイヤーとよばれるものは、予備校によっては解法プロセスの一つに組み込まれています。
戦略レイヤーは、その予備校のオリジナルというわけではありません。(多少変えているときもあります)
戦略レイヤー自体の説明はグロービス先生にお譲りして、今回は戦略レイアの5つの効果と2つのポイントを紹介します。
【参考文献】
グロービス知見録
コンテンツ
中小企業診断士2次試験における戦略レイヤーの効果1:作問者の意図への手がかり
各設問が戦略レイヤーのどこに位置付けれるのかを考えることは、作問者の意図を探る大きな手掛かりになります。
事例Ⅱでは、SWOTを直接問う問題が出題されましたが、稀なケースです。
「変化する外部環境に対応できた要因は何か」というような問われ方をします。
例えば、これが「内部環境」と分かると、強みやコアコンピタンスを問われていることがわかります。
中小企業診断士2次試験における戦略レイヤーの効果2:思考のフレームワーク
戦略レイヤーによって使えるフレームワークが異なります。
一次試験で学んだフレームワークを使って論理的な切り口を導き出す手がかりとなります。
中小企業診断士2次試験における戦略レイヤーの効果3:思考の流れと一貫性
一番大きな効果が一貫性です。戦略レイヤーの流れは思考の流れを表します。
全社戦略や経営課題は、SWOTなどの内部・外部環境分析を経て導き出されます。
一方、機能別戦略は全社戦略や経営課題を達成するために支える戦略です。
例えば、第1問で内部環境の強みが問われ、第4問で全社戦略が問われた場合、第1問をふまえて第4問を回答することが意図になります。分析した内容は、戦略を導き出すのに使います。
中小企業診断士2次試験における戦略レイヤーの効果4:課題発見
「課題」は、あるべき姿と現状の差分です。
あるべき戦略レイヤーと現在の戦略レイヤーが分かれば、差分も浮かび上がってくるはずです。
今後の課題が全体的にわかってきます。
例えば、今後のためにドメインを変更すると、現在の強みが弱みになることもあります。
事例Ⅲでは、少量多品種の生産に変更する場合、「大量生産に特化している」という強みは弱みになる可能性があります。
そのとき、下の支える部分の機能別戦略をどのように変えていくべきか考えていきます。
中小企業診断士2次試験における戦略レイヤーの効果5:粒度
特に事例Ⅲですが、オペレーションレベルを書くべきか、全体を示すべきかの「粒度」の手がかりになります。
提案の場に、社長と事業部長、そして担当者がいると考えてみてください。
社長には「方向性」を示し、現場の担当者には「具体性」を示していきます。
全社戦略と位置付けたものは、社長に話すつもりで、細かいオペレーションよりも今後の方向性をしめします。
戦略レイヤーから見える大切なもの1:内部・外部環境分析が起点
「第1問の内部・外部環境分析で10点しかないので時間をかけない」という戦略を見かけることがあります。
これが正解かどうかの議論はおいておきますが、「時間をかけない」=「ガサツにやる」と捉えると危険です。
第1問でよく聞かれる内部・外部環境分析がすべての起点となります。
第1問の分析力低いと全問題に影響がでます。
逆に第1問の分析力をつけ、精度を高めることが全体の得点力につながっていきます。
戦略レイヤーから見える大切なもの2:戦略レイヤーは何のためか
戦略レイヤーは、何のために策定するのかというと、経営課題を解決するためです。
戦略レイヤーと同時に経営課題・テーマを設定することが大切になります。
各設問が戦略レイヤーのどこの部分を聞かれているのかを意識することが大切です。
ただし、戦略レイヤーを書いておけば、フレームワークのように当てはめて、自動的に答えを出すものではありません。
戦略レイヤーは、経営コンサルタントとして考えて、思考を整理するためのものです。
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