書くスキル:不適切なナンバリングは不合格につながる

中小企業診断士の2次試験の記述スキル

中小企業診断士の2次試験で、答案を書くときに「1.~~、2.~~」と箇条書き・ナンバリングして記載していませんか?
箇条書きやナンバリングは、採点者にわかりやすく回答を示す方法の一つです。
ただナンバリングすればいいなんて、ソンナコトナイヨ。

不適切に使ってしまうと不合格答案へ急降下です!
逆に適切に使うことで論理的な思考に結びつきます。

診断士試験の書くスキル:適切と不適切な箇条書き・ナンバリングの差

事例Ⅰ~事例ⅢまでのA答案と不合格答案をランダムに25答案ずつ分析してみました。
1つの答案で箇条書き・ナンバリングを使っているか、使っている場合、適切か不適切を分類しています。

A答案不合格答案
箇条書き・ナンバリングなし60
適切な 箇条書き・ナンバリング 1310
不適切な 箇条書き・ナンバリング 615

A答案のうち不適切な箇条書きを使っていた割合は6答案(24%)。
不合格答案は15答案(60%)。

明らかに不合格答案の方が多い結果です。

また、A答案では、一つも箇条書きを使っていない答案が24%もあります。

診断士試験の書くスキル:適切な箇条書き・ナンバリングの使い方について

箇条書きは、特徴、機能、方法、問題点、理由、原因など、数種類の事柄を列挙するときに使います。
普通の文章で書くと次のような構文になります。

~~~~には、*通りの~~~があります。
1つ目は~~~。2つ目は~~~。3つ目は~~~。

回答では、これを短縮して次のように書くことが多いと思います。

~~~~には、1~~~、2~~~、3~~~。

ここで列挙した項目は、並列性もしくは順序性がある項目となります。
以下に並列の例を挙げます。

事業部制にすることで、1意思決定を迅速化して、柔軟に外部環境して新規事業を成功させる。
2権限委譲して、経営視点を持つ人材を育成する。

並列ですので、2つの切り口(要素)があることを意味しています。
この書き方は、多面的な視点で回答していることにつながります。これ重要です。

診断士試験の書くスキル:不適切な箇条書き・ナンバリングについて

不適切なナンバリングとして、見かけるのが次のパターンです。

事業部制にすることで、1意思決定を迅速化し、2柔軟に外部環境して新規事業を成功させる。
3権限委譲して、4経営視点を持つ人材を育成する。

1文の中にナンバリングしているケースです。

採点方法は非公開ですのですが、キーワードの有無で採点している場合は減点されることはありません。
通常の箇条書きと同じ点数が入ります。
また、ナンバリングが変だからという理由で、減点されることもないと思います。

デメリットは、思考の面です。

◆1.書くときに論点が漏れる・考えが崩れる

この書き方でかかれている不合格答案を分析すると、切り口を強く意識していないためか、
論点が漏れてしまう傾向があるようです。 たとえば次のような文です。

事業部制にすることで、1意思決定を迅速化し、2柔軟に外部環境に対応して、3経営視点を持つ人材を育成する。

3つの視点で多面的に書いている気になりますが、書いていることは1つだけです。
「経営視点を持つ人材を育成する」が最終的な目的です。
考えでは分かっていても、多面的に書いてる気になるためか、書きたい論点が漏れたり、考えが崩れる傾向にあります。

2.合格者や予備校の答案が十分に分析できていない

2次試験に準備をして挑んでいます。
予備校や合格者の答案もしっかりと学習していると思われます。

ただ単純にわかりやすくするために箇条書きやナンバリングしているという意識で見てしまうと、論理的な切り口を分析できていない可能性があります。

合格答案は、論理的に意図をもって切り口を設定しています。
そのため、わざわざナンバリングしなくてもいいものは、ナンバリングしないのです。

どのような基準で箇条書きをしているのかの意識を持って、分析することで論理的な切り口が見えてくるはずです。
A答案に近づく気づきが見つかると思います。

以前の記事にもつながってきます。

論理的な思考が論理的な記述を作りますが、その逆もあります。
論理的な記述を心掛けることで、論理的な思考が整ってきます!

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