再現答案の読み方 ~中小企業診断士2次試験

診断士2次試験では正解が公表されません。

こんな試験だからこそ、過去の再現答案というのは非常に価値があります!

特に、近年では得点開示制度が存在するため、実際に診断士協会が採点した得点結果が分かっている再現答案が存在します。

これは、あたかも砂漠の中を彷徨うような2次試験において、とても重要な価値を持ちます。

そんな再現答案ですが、これをしっかりと活用できている人は少ないように思います。

そこで、今回は再現答案の活用方法を説明します!

①高得点者のテクニックを盗む

合格者の再現答案を多く読むと分かりますが、「~為」のように漢字を使用すること文字数を節約していたり、「強みは、信頼得る丁寧な接客」のように体言止めを使用して文字数を節約したりしています。

このような、合格者特有の共通点・スキルを、再現答案から盗むことができます!

②解答を構造化して切り口を盗む

合格者の答案は、思いついたことを適当に描いたような答案ではありません。書き方は千差万別ですが、実は要素ごとにきれいに構造化されていたりします。

例えば、「売上=客数×客単価」というのは多くの受験生が知っていると思います。

そして、合格者の答案というのは、次のように書かれています。

「施策は、①プロモーションを強化して客数増加、②高付加価値な商品を開発して客単価向上、により売上増加を図る」

一方で、不合格者、特に低得点者の答案は次のようになっています。

「施策は、①メルマガ配信、②チラシを町内で配布、③DM送付、により売上増加」

つまり、合格者の答案は切り口(売上=客数×客単価)を活用して抜け・漏れのない多面的な解答になっていますが、低得点者の解答は客数増加の施策しか書いていません。これでは、いくらいろんなことを書いたとしても、得点は伸びません。

この例は、だれもが知っている分かりやすい切り口での説明だったので「そんなことは言われなくても分かってるよ!」と思うかもしれませんが、合格者はこの切り口をたくさん持っています。

このように、どの設問に対してどんな切り口で解答を作成しているのか、どんな切り口が存在するのか、というのを把握する上で再現答案は非常に有用です。

③”なぜこの要素を書いたのか”を考える

最後は、”なぜこの要素を書いたのか”を考えるということです!

再現答案を読むと、”この人はなんでこんな要素を書いたんだ!!”と不思議に思うことが多々あると思います。

これを、そのまま不思議な状態にしてはいけませn。

なぜその要素を書いたのかを考えることで、自分自身の思考の幅は確実に広くなります。

もちろん、必ずしもその要素が正しい訳ではなく、これについては取捨選択が必要になります。

ですが、思考の幅が広がること自体は決して悪いことではありません。これにより、次回問題を解く際には以前とは違った観点で問題を眺められるようになるからです。

上記の3つの観点はあくまで例ですが、是非参考にしていただきたいです。