事例Ⅱ マーケティング・プロセスの基本フローをおさえる

最近の試験では、「プロモーションについて述べよ」「製品について助言せよ」といった制約条件がない提案・助言を求める設問が出題される傾向にあります。これらの制約条件は、出題者の意図を知るための重要な手がかりとなっていました。

手がかりがない場合、マーケティングのどの部分が問われているのかを考えて応える必要があります。そのためには、マーケティング・プロセスの全体像を知り、どこが問われているのかを考えます。

マーケティング・プロセス全体

マーケティング戦略は、ニーズを明らかにしてだれに、何をどのように届けるのかを考えます。実現するために次のマーケテイング・プロセスを考えていきます。

基本的なマーケティング・プロセス

各プロセス概要

❶ 経営戦略

上位戦略である「全社戦略」や「機能戦略」といった経営戦略と一貫性を保つことにより、マーケティングは最大限の威力を発揮することができます。

たとえば、高品質・高価格のサービスを提供して差別化する戦略でも、現場レベルで「高くて売れない」と判断し、低価格商品の販売することがあります。戦略の一貫性が保たれず、効果は発揮されません。

❷ 市場調査

マーケティングを行う上で、まず始めに行うことは企業内外の環境を観察し、分析します。
フレームワークとしてSWOT分析や、3C分析、ファイブフォースなどがあります。

❸ ターゲットフィット

「だれに」当たる部分がターゲットフィットです。3つのプロセスにわかれます。

セグメンテーション

ターゲットを特定するため、市場分析を経て、自社に最適な市場を発見するために市場を細分化します。

ターゲッティング

細分化したグループの中から自社のターゲットを選択します。

ポジショニング

ターゲットに価値を届けるために、自社と他社との立ち位置を考えます。

➍ ミックスフィット

「なにを」「どのように」の部分にあたるのがミックスフィットです。マーケティング業務の諸要素を適切に組み合わせ(マーケティング。ミックス)、適合させていきます。代表的なフレームワークとして4Pがあります。

  • Product (製品、戦略)
  • Price (価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(広告)

これは製造業のマーケティング・ミックスです。4Pが基本となりますが、業種により変わってきます。

➎ 目標設定と実行

目標を達成に導く戦略を決定したら、その戦略を詳細な計画に落とし込んで、実行していく必要があります。

この部分は組織の部分に入ってくるため、事例Ⅱでは問われることは少ないです。事例Ⅱで実行部分で問われるものとしては、外部連携や地域連携といった連携部分となります。

➏ モニタリング・管理

計画に落とし込んで実行に移されると、必ず結果が出ます。目標と実績に差異がある場合は、その原因を追究し、必要に応じて戦略を修正します。
PDCAサイクルを回し続けることによって、戦略の精度を向上させます。

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