複数の設問で同じ解答要素を重複させていいの?
中小企業診断士の2次試験の対応において
「問題3と問題4の答えが同じになってしまう」
「このキーワードがこの問題とこの問題のどちらで使えばいいんだろ」
と複数の設問で解答要素(キーワード)が重複して悩むことはないでしょうか。
受験校や合格者の話では、
「解答要素を重複して書くことは問題ない」
という意見と
「重複してはいけない」
というご意見があります。
私はどちらも正しいと思っています。
鵜呑みにするのではなく、どのような視点での意見なのかがポイントです。
3つの視点で、この論議を記載していきます。
コンテンツ
1.本質的な視点
まず、試験問題という点をおいておいて、実際に起こりうる本質的な視点で考えます。
ある1つの事象が複数の問題を引き起こすことは、現実問題としてありますよね。また、1つの対策の複数の問題を解決することもあります。
例えば、技術的な問題で不良品をたくさん作っている事例企業があったとします。
第3問で納期短縮の対策、第4問でコスト低減の対策、第5問で品質向上の対策が問われます。
ある1つの対策で、技術力を上げて不良品を減らし、納期、コスト、品質の問題が解決する場合どうでしょうか。第3問、第4問、第5問で同じ対策を書くことは論理的と言えます。
大切なのは事例企業の課題の分析、対応をきちんと考えているかという点です。
本質的な視点では、「複数の設問で同じ解答を書くのは問題ない」となります。
2.試験対策の視点
とはいえ、複数の設問で同じ解答では、試験として成り立ちにくいと思いませんか?
出題者側としては、同じ解答を用意している可能性は低いです。
また、1つ解答を他の設問で使いまわせばいいと考えてしまうと、
思考の段階でも「他にも考えられないか?」という視点がなくなり、
視野が狭くなります。与件の見落としや多面性が欠如につながるわけです。
しっかりと切り口を持って、論理的に設問を切り分けながら解答要素を割り振る訓練が大切になります。
試験対策の視点では、「複数の設問で同じ解答を書くのは危険」となります。
3.本番対応の視点
1つの解答要素が複数の問題の解答として使えそうな場合があります。
「あー、この回答を第2問で書くべきなのか、第4問で書くべきなのか」と悩みます。
ただし、時間は80分しかありません。
悩んでも、悩んでも答えが見つからないとき、どうするかというと、
ここで「重複して書く」という選択肢がでてきます。
迷ったうちの片方の設問にのみ解答をかくと、外した場合0点です。
それならば、両方に書いて、半分でも確実に得点を獲得します。
限られた時間内での対処方法です。
「守り」の対応となります。
本番対応の視点では、「複数の設問で同じ解答を書くのはあり」となります。
4.まとめ
最初から「迷うから重複して書いてもいい」というスタンスでは、
与件や思考プロセスの学習の伸びが止まってしまうので注意です。
「ここは迷うから重複してOK」と今の段階から、自分に言っていないか確認してみてください。まだ2次試験まで時間があります。
受験校の解答や合格者の解答に、重複がみられる場合は、
- 本質的な分析と助言を行うために重複させたのか
- 本番対応の視点で、仕方なく重複させたのか
で大きく意味が異なってきます。
どちらの意味で書かれているのか考えてみると、より深い理解になると思っています。
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