事例Ⅰ~Ⅳで問われていること
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◇事例Ⅰ~Ⅳ 戦略の違い
事例1~4で問われていることは、それぞれ全く違います!
皆さん、これを正しく理解できていますか?
まずは、上の図をご覧ください!これは、皆さん良く見る図だと思います。
企業の存在目的を持続的成長(企業の存続)とすると、これを実現するために外部環境・内部環境を考慮して事業ドメインを選定します。
このドメインでの自社のポジションを確立するために全社戦略を立案し、規模の大きな会社であればさらに事業戦略を立案します。
そして!この全社戦略、あるいは事業戦略は、大雑把には4つに分かれます。
それは、
Ⅰ人事・組織戦略、Ⅱマーケティング戦略、Ⅲ生産・開発戦略、Ⅳ財務戦略
です。
・・・・
そうです!
これは、まさに診断士二次試験で問われている4つの事例です。
つまり、
2次試験を突破できれば会社全体の戦略が理解できるようになるんです。
2次試験、とてもよくできていますね。。。
◇事例Ⅰ~Ⅳで問われる内容の違い
これで、事例Ⅰ~Ⅳまでが全社戦略を細分化した個別の戦略に沿っているということまでは理解できたかと思います。
では、改めて各事例で問われていることを考えてみましょう。
設問:「売上増加の施策は?」
事例Ⅰ~Ⅳがそれぞれ個別の戦略に関係していると考えると、例えば同じ目的(売上増加等)を達成しようとしても、手段が異なるはずです。
仮に「売上増加の施策」を問われたとして、各事例毎に解答を考えてみましょう!
勿論、それぞれの個別の戦略(人事・組織戦略、マーケティング戦略、生産・開発戦略、財務戦略)を意識することが重要です。
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解答例
さて!
みなさん解答できましたか?解答例はこんな感じです。
事例Ⅰでは、人材育成や、人材採用を強化することで売上増加を図ります。
事例Ⅱでは、マーケティング戦略(誰に、何を、どのように)により売上増加を図ります。
事例Ⅲでは、高価な新製品開発や、生産効率を増加(≒売上できる製品の数を増やす)ことで売上増加を図ります。
事例Ⅳでは、現状の人員・設備だけで検討するのではなく、将来の投資計画を描き実行していくことで売上増加を図ります。
つまり、全く同じ設問でも、事例Ⅰ~Ⅳでは解答する内容が全く違うんです!!!
これは、よ~く考えると当然のことです。
事例Ⅰでは人事・組織戦略が問われており、言ってしまえば人事部長が実行できる範囲のことを問われている訳です。
人事部長が、売上増加のために新製品開発なんてできる訳ないですよね?
人事部長ができるのは、新製品開発を行うことのできる人材の採用・育成です。
この視点を持っていないと、特に事例Ⅰで大きく失点します。
(人事組織の視点ではなく、マーケティングの視点で解答してしまう)
◇事例毎の違いを意識する設問と、意識しなくてよい質問
では、すべての設問に対して、個別の戦略の違いを意識しないといけないかというと、そうではありません。
例えば、会社全体の強み・弱みを問われた時は、全社的な視点で答えましょう。
事例を強く意識する必要があるのは、
具体的な施策を問われた時
です!
施策を問われた時は、必ず各事例の個別の戦略を意識しましょう。あくまでも、個別の戦略の枠の中でしか、施策は実行できません。
2次試験までもう少し、応援しています!