考えなしほど受けるべき診断士

突然だが、私は正直”ノリ”で診断士試験の学習を決めた。

「なんとなく経営とか金融とか不動産ってかっこいいな」という思いからスタートし、実は宅建の参考書を真っ先に購入した。

FPや簿記も興味深かったが、”不動産が一番かっこいい”という意味不明な思い込みがあったようだ。

だが、ある時、著名な人が”中小企業診断士”なる資格の保持者だということが分かった。そう、何を隠そう、私の診断士試験はここから始まった。完全な”考えなし”である。

学習を進め、試験は得意な方であったから、一次試験はなんとかパスできた。そして、2次試験の学習を始めてから、ある異変を感じるようになっていた。

「社長に5年後・10年後のあるべき姿を提案している自分は、5年後・10年後を何か考えているだろうか?」

「自分の5年後・10年後も考えられないのに、なんで社長に5年後・10年後のあるべき姿を助言できるんだ?」

この異変に気が付いた時に、一度立ち止まって過去を振り返り、自分の将来を考えた。診断士の学習を通して勉強してきたSWOT分析、アンゾフの成長ベクトル等、色々なフレームワークをフル活用したし、自分なりにキャリアを考える上でのフレームワークを考案して、これに沿ってやりたいことを考えた。

私の場合は、たまたま、考え直した結果が”診断士受験”であった。

だが、もしその時に診断士以外の道がふさわしいと考えていたら、きっと私は受験をやめていたと思う。

診断士(特に2次試験)を学習する中で、きっと学習者全員が自分自身を客観視し、それまで学んだ経営知識で自分の将来を考えるようになる。

というよりも、経営知識を学んだからこそ、”考えることができるようになる”。

今、自分のキャリアや、将来やりたいこと等を考えていない人にこそ、診断士試験への挑戦をオススメしたい。